ますます大好評の『お仕事』シリーズ。今回は「士業紹介」第2回目です。
今回は、ふたりのお子さんを持つ若手行政書士の大江亜里朱さんのお話をお伺いします。 大江さんは、産休中に行政書士の資格を取得し、現在は自宅兼事務所で、 家事と仕事の区別はあえてつけずに、仕事の電話をしながら料理もしてしまうという、 自然体のライフスタイルを楽しんでいらっしゃる方なんですよ。 では、さっそく、お話をお伺いしましょう。
◆ 行政書士のお仕事には、どういうものがありますか? ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

ひとことでいうと、許認可などを取るためにお役所に提出する書類の作成と提出 代行です。具体的には、建設業許可、宅建業免許、風俗営業許可、会社設立、 NPO法人設立、運送業許可、外国人の出入国・帰化などの許認可の申請、著作権 の登録申請、遺産分割協議書の作成など、幅広い分野をカバーします。 扱う書類の数は約1万種類とも言われています。

行政書士一人ですべてをカバーするのは困難ですから、得意な分野に専門特化、 または地域を限定していく人が多いです。

◆ 報酬、料金はどれくらい?   ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

お客様から頂く報酬は、
5年程前までは、報酬額の規定がありましたが、それが撤廃されてからは、個人 が自由に報酬額を決めているのが現状です。

そのため、行政書士や業務内容ごとに報酬額は異なりますが、有限会社設立で約 10万円、風俗営業許可申請で約20万円、建設業許可の更新は約7万円など、ひと つの仕事で5万円から30万円くらいの報酬額を頂きます。

わたしの場合には、1ヶ月の売上は、40万円以上にはなります。経費は余りかか りませんので、売上の8割くらいは利益になる計算です。

◆ その資格は、どうやって取得するのでしょう。 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

年に一度ある行政書士試験(国家試験/毎年10月に開催)に合格する必要があり ます。さらに、その後各都道府県の行政書士会に登録しなくてはなりません。

試験に合格して登録をしていない人は、行政書士の仕事はできません。また、行 政書士会に登録するには、東京都の場合、入会金が30万円くらいかかり、毎月7 千円の会費が必要です。

私の場合、会社勤めの時の産休中に勉強をはじめ、2回目の試験で合格しました。 資格の学校などに通学したり、通信教育の講座を受講したり、独学で問題集を解 くなど、いろいろな勉強方法があります。

◆ 資格取得の難易度は? ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

最近は受験者数が急増し、去年は合格率が2%台でした。試験内容は、一般常 識、法律、記述式の3種類から出題されます。業務と同様、法律関係の問題が幅 広い分野で出されることが多いのですが、基本的な問題がほとんどです。一般常 識と法律はマークシート方式で、これらがそれぞれ50%以上、合計で60%以上得 点していないとその時点で失格です。その後記述式の採点をして、65%程度が合 格ラインのようです。

◆ どういう人が向いていますか? ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

1.人と接すること、人と話をすること、人の話を聞くことが好きな人。
 お客さんのしたいことを的確につかみ、そのために必要な手続きを教えてあげ  ることが大切だと思います。

2.人の役に立つのが好きな人。
 お客さんのために一生懸命になり、うまくいってお客さんに感謝されることに  やりがいを感じられるひとは長続きします。

3.ねばり強い人。
 お役所の担当者の細かい指示にもきちんと対応でき、最後まで仕事をやり遂げ  る根気も大切です。

◆ お仕事と家庭・育児との両立はどのようにしていらっしゃいますか? ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

子どもは二人とも保育園に通っています。病気の時は、なるべくスケジュールを 変更して対応しています。
会社員と違い、スケジュールは自分で自由にできる点が気に入っています。どう しても変更できないときは、夫、実家(歩いて10分)夫の実家(電車で2時間弱) などの家族にサポートしてもらいます。

夜、休日が仕事の場合も同様です。仕事と家庭の区切りをどうつけているんです かと、よく聞かれるのですが、自宅兼事務所なので、家事と仕事をあえて区別を つけず、一緒にやっちゃいます。仕事の電話をしながら料理とか、書類を作りな がら洗濯とか、役所に行った後買い物とか、常に「ながら」で行動しています。

◆ その仕事をしていてうれしかったこと、逆に困ったことなども差し支えの
  ない範囲で紹介していただけませんか?興味深いエピソードなどでも結構です。◇◆◇◆◇◆


    <うれしいとき>
やはり、許可が取れて、お客さんに「ありがとうございました。先生のおかげで す」と言われる時が一番うれしいです。
それから、私が当然知っている知識だったのに、報酬をいただいた時(笑)。

  <困るとき>
許可を取りたいのに、要件がどうしても合わない時。私はどうすることもできな いのでつらいですね。

  あと、開業当初は、「こんなに若いお姉ちゃんで大丈夫かな?」とお客さんに不 安に思われることがあり、やりにくかったことがありました。そのうち、場数を 踏んで自信がつくとそんな風に思われることもなくなりました。

行政書士 大江 亜里朱
http://www.ohe-net.com/

《士業班スタッフ》小桧山 千恵子、大江 亜里朱

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